cats and dogs

‐original BL novels‐



-朔の章- 第二のパンドラ(4)

   § : 「cats and dogs」
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「…………っは……も、うっ……!」
 と、そこでいきなり、アリサが細い両腕に力をこめ、サクを突き飛ばすように押した。それほど強い力ではなかったが、驚いてサクは動きを止めてしまった。
 その隙を逃さず、アリサはサクを身体の上から押しのけた。身を起こしながら、逆に入れ替えるように、サクの黒髪をつかんでベッドに引き倒す。
 驚いて咄嗟に動けないでいるサクの上にアリサは馬乗りになり、かと思うと、その完全に熱く硬くなっていた勃起を乱暴につかんだ。
「ひっ!」
 突然の刺激に、サクは悲鳴のような声を上げてしまった。
 アリサはサクの反応に構わず、その先端を自らの熱く潤みきった秘所に押し当てると、そのまま一気に腰を沈めた。猛り切っていた屹立にいきなり噛み付くように熱い肉襞がからみつき、サクは身体を跳ねさせた。
「うあ、あ……ッ!」
 たちまち股間から駆け上がり指先まで走り抜けたすさまじい快感に、サクはなすすべもなく喉を仰け反らせた。
 腰の上に乗ったアリサが、その膣内に収めたサクのペニスをこねるように腰をくねらせ、その結合部がくちゃくちゃと湿った音を立てる。アリサの体内は火傷しそうに熱く、ねっとりとからみつく肉襞が、理性などたやすく吹き飛ばす快楽を伴ってサク自身をきつく締め上げた。まるで今までのお返しだというようだった。
「なかなか可愛いじゃない、あなた」
 乱れた長く赤い髪を押さえながら、アリサがぺろりと唇を舐めた。その細い指がサクの胸板から脇腹にかけてをすべり、サクは悲鳴と大差ない声を上げて身体を震わせた。
「あ、うっ……くうっ……はあ……ッ」
 滾りっぱなしで刺激を何も与えられず、焦らされる一方のような状態だったペニスは、突然の快楽にたちまちとろけてしまいそうに翻弄された。豊かな乳房を揺らし、呼吸を乱しながら、アリサはサクの上で腰を動かし続ける。
「ご褒美に、私の中でいかせてあげるわ」
 腰の下で悶えるサクの反応に、アリサはうっとりと目を細めた。その言葉は、すでにサクには半ば聞こえていなかった。
 信じられないほど、アリサの中は気持ちが良かった。身体の中心から広がる甘く疼く快感に、何も考えられなくなる。あまりにも簡単に形勢を逆転され、しかしそれについてあれこれ考えることすらできなかった。
「はっ、はっ……あ、あ、くっ……うッ」
 理性が吹き飛びそうになり、しかしぎりぎりのところで、なんとかサクはあっという間に放ちそうになったのを堪えた。奥歯を噛み締め、全身を硬くして、身体の芯に与えられる強烈な熱い快感に抵抗する。その手が強くシーツを握り込む。
 このままあっさりと達したら、アリサが満足しないままで終わる。それではアリサは不服だろう。なんとかアリサが達するまではもたせなければいけない。
 だがアリサの動きはとんでもなく淫らになまめかしく、その膣はあやしく蠢いて、容赦なくサクを締め付ける。間断ない刺激に、爆発しそうに猛り切ったペニスはすでに限界寸前だった。達するぎりぎり手前で堪えながら、頭がとろけそうなほどの刺激を与えられ続けるのは、もはや快楽を越えて拷問に近くなってきた。
「あ、あ、くッ……はあ、……ッ!」
 堪え切れず、身体がピンと張ってそり返り、しなる。その上で、アリサが全身を汗に光らせながら、恍惚とした表情で貪るように腰を揺らし続ける。
 ぐちゃぐちゃと淫らな音が、抜き挿しされるごとに、かき回すごとに響き、アリサの身体がやがて細かく震え始めた。びくびくと何度か震え、呼吸が切迫して、その腰の動きがいっそう小刻みに早くなる。
 激しさを増した動きに、サクはもう悲鳴すら上げられなかった。ただ身体を仰け反らせ、呼吸すらままならない快楽の嵐の中で、ついに限界を迎えた。
「あっ……あああぁぁッ!!」
 女のように、むしろ女より激しく叫びながら、サクは達した。それが刺激となったのか、同時にまたアリサの唇からも喜悦の声が迸り出た。アリサの中は、吐き出された精液を残らず搾り取るように蠢いてサク自身にからみつき、絶頂の余韻を長引かせた。
 やがて拷問のようだった快楽の波が、ようやく引き始めた。全力疾走した後のようにサクは呼吸が荒くなり、胸板が激しく上下していた。全身をけだるさが襲い、すぐには目を開けることすらできなかった。
 アリサが身体を引いて、ずるりとサクを抜いた。熱を帯びた眼差しのまま、動けないサクの上に身を伏せ、達した直後ですっかりやわらかくなっている精液と蜜まみれのペニスに口付けた。
「ヒッ!」
 思わぬ刺激に、サクがビクリと身体を震わせた。
 アリサはサクの両脚を広げて身体をのしかからせ、身動きを奪うようにして、そのペニスに舌を這わせ始めた。優しく汚れを舐め取るというより、はっきりと嬲る強さで、ぺちゃぺちゃと子供のそれのようにやわらかなペニスを舐めまわす。唇を押し付けてちゅうちゅうと吸い、口内に含んで転がす。
「ひっ、あっ、やめっ……やめろっ……ああぁっ」
 サクはたまらず身をよじらせ、なんとかその責めから逃れようとした。激しく達した直後のペニスを、手加減なく嬲られるのはたまらなかった。
 もがく姿に、アリサがサクの股間から顔だけを上げた。
「あらぁ。何でもするって言わなかったかしら?」
「……ッ……」
 言った。確かに。
 言葉に詰まったのを回答と受け取ったのか、にたりと楽しそうに笑うと、アリサは再びサクの萎えたペニスを責め始めた。
「あッ……くううッ……あ、あっ……はッ……」
 若い身体は勝手に反応を始め、じきにペニスには再び血流が集まり、たわいもなくサクは放った。だがやはり、アリサはいっときたりともサクを解放しなかった。萎えたペニスをそのままちゅうちゅうと強く吸い上げ、白い指で残酷に扱きながら、サクがビクビクと反応する様を面白げに眺めた。
「あひっ……あ、あッ……や、やめッ……あ、ああ、あぁっ」
 幾度も勃起と射精を強要され、サクの目尻に苦痛の涙が浮かび、情けないほど身体がガクガクと震え、跳ねた。一秒も休ませてもらえない身体は汗びっしょりで、呼吸が乱れ切ってうまく息がつけなくなっていた。
「一滴残らず搾り取ってあげるわ。嬉しいでしょう?」
 微笑みながら告げたアリサに、サクは絶望の眼差しを向けた。
 既に限界を超えて追い詰められた身体は、必要以上に過敏になりすぎている。そして何度達しても解放してもらえないペニスはもう苦痛しかもたらさず、サクは泣き叫んで許しを乞うた。しかしアリサは、そんなサクを見るとますますうっとりと瞳を細め、さらに容赦なく萎えたサクのペニスを責め立てた。
「あ……かはっ……ぁ……」
 しまいには身体は痙攣することすらできなくなり、呼吸をするだけでやっとになる。何度も何度も気を失いかけ、しかしそのたびに苦痛がそれを引き戻し、がくりとサクの顎が仰け反った。
 さんざんに弄び、もう何をどうしても僅かも反応しないという頃になって、ようやくアリサはサクを解放した。
 優美なガウンを直接素肌に羽織ってベッドを降り、サイドボードの上にあった受話器を取り上げる。そこでアリサが何かしゃべっているようだったが、意識が朦朧としかけていたサクにはそれを聞き取ることができなかった。
 やっと意識を回復させたのは、ぐったりと横たわっていたベッドが不自然な揺れ方をしたからだった。
 何かと思ってようやく瞼を持ち上げたとき、いきなり両腕を乱暴に引かれ、引き起こされてうつ伏せにされた。それは女の力では、アリサの柔らかな掌の感触ではなかった。
 何がなんだかわからないうちに、くしゃくしゃになったシーツの上に押し付けられ、両腕を頭の上に持っていかれる。そして手首を痛いほど縛り上げられた。
「っつ……な……なに……?……ひっ!」
 腰を持ち上げられ、そこにひんやりとした何かがかけられた。ぬるぬるとしたそれを、硬い感触の掌が尻からその穴にまで塗りたくる。
 まだ混乱が抜けない頭髪をぐいとつかまれ、顔を強引に上向けられる。その口にいきなり押し込まれたペニスに、サクは殴られたように正気を取り戻し、直後猛烈な吐き気を覚えた。
「うっ……うう、ううっ!」
 顔も見えない誰かが、暴れて逃れようとするサクの頭をなおも押さえつけて、さらに喉の奥深くにまで熱く勃起したペニスを押し込んだ。後ろの方では誰かの指が乱暴にサクの尻穴をまさぐり、ローションをたっぷりまぶして出し入れし始めていた。
 全身を悪寒が駆け巡り、サクは必死で暴れて逃れようとしたが、手首を拘束された上に前後から数人がかりで押さえつけられた身体は、まったく身動きが取れなかった。
「う、ううう、うっ……」
 口の中に男のものがあるだけでも堪え難いのに、後ろの穴を無遠慮にまさぐられ、サクの正気はほとんどすり切れそうになる。
 サクの身体を押さえつけているのは、サクとそう大差ない世代の三人の若い男達だった。力ずくで押さえ込まれ、口内をペニスで犯され、満足に息もつけずにいるサクを眺めながら、アリサが妖艶な眼差しでベッドの脇に立った。
「その三人を満足させて、まだあなたが元気でいられたら、あなたを飼ってあげるわ」
 信じられない言葉に、サクはもはや生理反応だけで涙が滲んでこぼれてゆく目をアリサに向けた。
 その後ろから当てられた太く硬いものが、サクの身体を引き裂くように容赦なく直腸内に押し入ってきた。絶叫したかったが、口内いっぱいに犯された状態ではそれもできない。
「私は少し疲れちゃったから。休んでくるわね。ゆっくり楽しみなさいな」
 アリサが言い残して、ふわりとガウンをひるがえして歩み去ってゆく。
 力ずくで押さえ込まれ、もはやどこがどうなっているのかも分からない状態で犯され続けながら、サクは呪詛のように頭の中で繰り返した。
 畜生。畜生。畜生畜生畜生畜生。畜生。
 地獄のような苦しみの中で、壊れたように涙だけがこぼれ続けた。何度も気を失いかけては引き戻され、いつしかサクは闇に呑まれるように、完全に意識を失った。


 意識を取り戻したとき、サクはもう何も考えることができなかった。
 身体中がきしんで、痛くて、べとべとに汚れて、口内にも吐き気を催す青臭い精液の味がした。起き上がれない中、ひゅーひゅーとかぼそく気管から呼吸音がした。
「起きなさい」
 そこに美しく残酷な声が響き渡った。カーテンを開いた窓の前、豪華な椅子に脚を組んで、美しく装い女王のように君臨したアリサがいる。
 まだか。まだ、許してはもらえないのか。
 長い時間をかけて、ようやく上体を引き起こした。震える身体をどうにかアリサのいる方に持っていく。ベッドから転がり落ち、起き上がるのにまた時間がかかったが、なんとか這いずってアリサの目の前まで行った。
 アリサがサクの目の前に、塵ひとつなく磨き上げられたヒールの高い靴をはいた足先を突き出した。
「舐めて綺麗になさい」
 綺麗にもなにも、元々汚れてもいないではないか。思ったが、だからといってもう逆らう気力も無い。震える身体で舌を伸ばし、言われるがままに靴を舐めた。
 アリサがその足を振り、力任せにサクの頬に叩き付けた。何の抵抗もできずサクは転がり、はずみでアリサの足からヒールが飛んで転がった。
「舐めなさい。何度言わせる気なの」
 震えて起き上がれないサクに、アリサは冷えた声でたたみかけた。
 サクは無理やり身体を起こし、全身全霊の力で、アリサの前まで這い戻った。
 突き出されている白い素足に舌を這わせる。うまく舐めなければと思うものの、もう身体がいうことをきかない。何度も吐き気がやってきた。どうしようもなく息が切れ、それでもサクは、必死で震える唇と舌でアリサの足を舐め続けた。
 アリサが足を引き、ついと美しく白い手を伸ばして、サクの顎の下に指を入れた。上向かせて、微笑んだ。
「合格よ。あなたを飼ってあげるわ、サク」
 感情の浮かばない目でそれを見返していたサクが、それを聞いた瞬間に身体を崩した。うずくまるように床に倒れ込んだときには、もう意識を失っていた。
 それを見下ろしながら、心から楽しそうにアリサは喉の奥で笑った。


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